• 振り返って

    三十代前半のときに、当時勤めていた同僚と3人で会社を設立しました。
    まだ若く、資金にも乏しい我らは、会社設立に係るさまざまな手続きを自分たちで行ない経費を節約しようと試みました。
    会社設立に関する書籍は、書店に行けば溢れるほど目につきます。
    その中の1冊を買い込んでみると、自分たちで会社設立の届け出をすると数十万円節約できると言うのを目にしました。
    そこで、買い込んだ書籍に書いてあったフローチャートどおり、作業に取り掛かりました。
    まずは定款づくりです。
    商号、目的、発起人、取締役などなどおよそ日頃考えてもいなかったことを3人が額を寄せ合って1つずつ決めて行ったことが記憶に残っています。
    定款がある程度、形をなしたあとは出資金の払い込みの作業です。
    それまで懇意にしていた銀行の担当者と、今度は違った形での話し合いと手続きです。
    ここまでの作業だけでも相当なエネルギーを使います。
    こういった会社設立の作業と並行して、会社設立後の業務をどのように進めていくかなどを綿密に話し合わなければならないので一刻も無駄にはできないという状態が続きます。
    その後、公証人役場、法務局など関連官庁への届け出をしなければなりません。
    今、会社設立に奔走したあの頃と同じようなことをやるというのは、かなり難しいと感じます。
    若かった故にできたことだと思います。
    確かに日常では体験できないようなことを経験できたわけですから、大変貴重な時間を過ごせたと感じています。
    しかしながら、もし手元に余裕の資金があるならば、多少お金がかかってもプロに任せた方が楽で、正確だと今は思っています。
    あれだけのエネルギーを慣れない会社設立の手続きにかけるのであれば、むしろ自分たちがやろうとしている業務の方に力を注いだ方が効率的ではないかと思います。
    立ちあげた会社はその後、業務不振で解散し、設立時の3人は今は別々になってしまいました。
    しかし、あの時の経験は3人それぞれが今も活かしているようです。